LIFE LONG SPORTS  vol.13
content
総合型地域スポーツクラブ
科学的な健康づくり
地域生涯スポーツ推進協議会
なみはやスポーツネット
障害者スポーツ
大阪府レクリエーション協会だより
府民スポーツ・レクリエーションフェスティバル
21世紀生涯スポーツ社会づくりへの提言
地域特性に応じた総合型地域スポーツクラブづくりについて
大阪体育大学副学長 健康福祉学部長 教授  永吉宏英
 平成7年に、文部省(現文部科学省)のモデル事業として6地域からスタートした総合型地域スポーツクラブ(以下、総合型クラブ)づくりは、自治体独自の取り組みも進み、平成15年現在、準備中も含めれば47都道府県、1,135クラブに達していると言われています(黒須 充 福島大学助教授 平成15年 1月調査)。約37万といわれる地域スポーツクラブの全体から見ればまだまだ微々たる数ですが、スポーツ振興基本計画(文部省)に目標数値を明示して盛り込まれ、スポーツ振興くじ(toto)で計画達成への財政的支援の裏づけもなされています。平成10年には特定非営利活動促進法(NPO法)が成立し、スポーツ振興を図る活動も法人格を取得することが可能になるなど、総合型クラブ育成のための環境的条件は、着実に整備されつつあります。
 しかしながら、環境整備が先行することが逆機能的に作用する事例が目立っています。総合型クラブづくりは、国(あるいは自治体)が音頭をとり、目標数値と達成年度を明記し(これ自体は画期的なことですが)、予算を優先的に配分する形でスタートしました。勢い、自治体レベルでは作ること自体が目的化し、推進委員会や理事会などの形づくりが優先されました。なぜ、総合型クラブが自分達の地域に必要なのか、地域のスポーツクラブはどんな問題を抱えていて、総合型クラブづくりが問題の解決にどのように役立つのか、そもそも地域にはどんなスポーツニーズがあるのかなどについて、地域のスポーツ指導者や実践者と何度も話し合って、クラブづくりの可能性を探るといった、住民主体のクラブづくりを目指す地道な作業は敬遠されがちでした。私達は昨年、大阪府下のある自治体と共同で地域を周り、スポーツ指導者等と地域スポーツの現状についてじっくり話し合う機会を持ちました。地域スポーツの抱える問題点が浮きぼりにされるとともに、その具体的解決法を考える中で、総合型クラブの必要性について地域の指導者と共通理解を持つこともできました。また、同じ自治体の中でも地域によってスポーツ状況は大きく異なること、どこに、どのようなクラブづくりのシーズ(種子)が育っていて、どんなキーパーソンが存在しているのかといった、クラブづくりを進めるための基本的な要件について重要な情報を得ることができました。
 人々の生活圏が複雑に交錯する大都市圏においては、スポーツの楽しまれ方も色々で、それにともなっていろいろなクラブづくりが競合するのが普通です。地域特性やスポーツ環境に関わりなく、画一的な方法で、短期間でクラブづくりを進めることは相当な無理を伴うし、クラブづくりの種子やキーパーソンが育っていなければ大きな失敗を招きかねません。地域の個性に合った総合型クラブをあせらずに時間をかけて育成することが大切です。