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21世紀生涯スポーツ社会づくりへの提言
「プロスポーツとスポーツ振興」
株式会社アルビレックス新潟 代表取締役会長 池田 弘
 日本において企業スポーツは、現在まで日本に名を残す多くのスポーツ選手をサポートしてきました。スポーツの発展の歴史において、企業スポーツが果たしてきた役割は、非常に大きいと常々感じています。
 しかし一方で、企業の経済的事情等によるチームの廃部、休部を耳にするたび、企業スポーツのあり方が従来のままでよいのかという疑問も感じてきました。一企業でスポーツを支えられる時代ではなくなり、スポーツ選手を育成する視点からすると企業スポーツの考え方を改めなければならない時代が来ているといわれています。
 スポーツ界において企業スポーツが残してきた功績と歴史を絶やさないためにも時代の流れの中で企業がスポーツとより良い形で関わっていけるよう考えていかねばなりません。
 私が発足から関わっております「アルビレックス新潟」は年を追うごとにJリーグ百年構想の理念に基づいた地域総合型スポーツクラブとして整備されてきており様々な評価を頂くようになってきました。アルビレックス新潟は、従来の企業スポーツ同様、企業にスポンサーという形で支えられていますが、サポートの考え方が全く異なるものとなっており、単一の企業ではなく地元企業を中心とした数多くのスポンサー企業とサポーターや後援会員等の多くの地域の人々によって支えられているプロチームです。
 まだ観客も少なかったころから温かく支援し続けてくれたのが地元スポンサー企業でした。現在これらの企業は平均四万人来場するアルビレックス新潟サポーターから、「オラがチーム」を支えて続けてくれている企業として広く認知されています。近年地元以外の企業にもスポンサーになっていただいておりますが、ご評価頂いているアルビレックス新潟の魅力には毎試合四万人という観客動員力やサポーターや地域に浸透しているブランド価値も含まれているのではないかと思っており、地域に根ざし支えられるスポーツのあり方には意義を感じております。
 新潟には「ALBIREX:アルビレックス」の名を同じくするプロバスケットボールチームの「新潟アルビレックス」があります。ここはもともと企業スポーツチームでした。廃部を機にプロ化し、一昨年まで5年間企業スポーツのリーグにプロチームとして参戦するかたわら、選手達がプロとして活躍できるよりよい環境のためにプロリーグ発足を夢見て、それを牽引してきました。2005年、その夢がbjリーグとして実現し、意を同じくする数チームと新たなバスケットボール文化を築き始めました。Jリーグ同様、一企業の衰退に左右されずに複数の企業のサポートを得ながら、選手として生業にしていくことが現実となり、選手は一企業の一つの広告塔として従属しているという立場から解放されました。
 ところで、現在プロ化や地域密着のクラブチーム化が先行しているのは、このようなチームスポーツに限定され、個人スポーツの分野は既存の企業スポーツに依る形が多いと指摘されることも多いですがはたしてそうでしょうか。
 やはり名を同じくする「チームアルビレックス新潟」、「アルビレックスランニングクラブ」は、本来個人競技であるスキー・スノーボード、陸上競技の分野で選手所属のクラブチームを運営する株式会社を作っています。複数企業からのスポンサーを募り地元密着で支持を得る手法は同じですが、アルビレックスランニングクラブは地域の方々のチーム参加も募り、選手と同じチームで競技するメリットや個人競技でありながらチームに所属するということの一体感を打ち出し、今までになかった競技との関わり方を提案することで市民権を得ています。始まったばかりですが参加者は少しずつ増えており、今後ますますスポンサーがサポートする価値も高まってくると思っています。
 今までの伝統を踏襲しながら、企業とスポーツのよりよい関係を築いていくには、選手やそれを支える関係者などが一企業に依存する環境に満足することなくスポーツそのものが生業として恒常的に成立していける環境整備に意識を向けることが必要だと思います。そして企業側はそれを十分に尊重し、どのようなサポートが出来るかを従来の企業スポーツの考え方にとらわれることなく、柔軟に考える姿勢を持つことが重要です。それはすなわちスポーツそのものの発展に繋がりますし、発展するスポーツをサポートする企業は結果として社会的な企業評価を高めるというWIN-WINの関係を築けることになります。
 近年、世界にトップレベルの選手を輩出し始めた日本のスポーツ、このターニングポイントを真剣に考えなくてはいけないのではないでしょうか。 
Vol.23