LIFE LONG SPORTS  vol.16
contents
大阪府広域スポーツセンター特集
科学的な健康づくりについて
アテネオリンピック特集
障害者スポーツ
大阪府レクリエーション協会だより
地域生涯スポーツ推進協議会
2004府民スポーツ・レクリエーションフェスティバル
21世紀生涯スポーツ社会づくりへの提言
クラブづくりとオリンピック 〜2004年アテネの感動を形に変えよう〜
大阪体育大学
松永敬子
2004年夏。日本中の人々が、アテネオリンピックでの日本人選手や世界各国選手の活躍に感動し、多くのエネルギーをもらった。また、選手だけでなく陰で支えるコーチやスタッフにも惜しみない拍手を送った。スポーツを「する人」もしない人も、応援するすべての人がスポーツを「みる人」として、さらに、選手を応援するサポーターとなり「支える人」としてオリンピックに関わった。特に、オリンピック選手の地元では熱心な応援が展開され、連日のように報道された。しかし、オリンピック選手が一地域の出身者であったとしても、我が地域スポーツクラブの出身者であるという感覚は、今の日本にはない。
ヨーロッパなどの諸外国では、地域スポーツクラブの活動がさかんで、オリンピック選手の中にも、地元のスポーツクラブ出身という選手は多い。身近な地域に活動拠点を置き、トップアスリートが練習を行う場所で、世代を超えた地域住民がさまざまな種目を楽しみ、クラブハウスではメンバーが集い、くつろぐ。つまり、わがクラブのスーパースターを身近に感じながら、それぞれの志向に応じたクラブライフを展開しているクラブが存在するのである。まさにオリンピック選手やプロ選手の活躍を根底で支えているのが、地域のスポーツクラブであり、クラブ文化なのである。しかし、ここは日本だから、ヨーロッパとは文化も風土も歴史も違う!と言ってしまったら前には進めない。日本には日本に合った地域スポーツクラブの形があるし、その中にもさまざまなクラブの形があってもよいのではないだろうか?地域のスポーツ環境の現状把握はもちろん、閉鎖した施設や遊休地の活用による活動拠点の確保、小中学校の余裕教室や地域の商店街の空き店舗など、スポーツ以外の組織・団体との連帯・協力によるクラブハウスの確保といったように、地域にはまだまだクラブライフを構築する可能性は残されている。
オリンピック憲章の根本原則にあるオリンピズムの目的の一部には、「人間の尊厳を保つことに重きを置く平和な社会の確立を奨励することを視野に入れ、あらゆる場で調和のとれた人間の発達にスポーツを。役立てることにある。」と記されている。解釈を広げれば、地域スポーツ振興にも当てはまる一文である。
この夏のアテネの感動を、地域スポーツクラブの発展とクラブライフの確立に結びつけ、いつの日か、「我が地域スポーツクラブのメンバーが、クラブの出身者がオリンピックに出場する!」というクラブ関係者の自慢話を耳にしたいものである。