第14回 おおさか生涯スポーツコンベンション
―生涯スポーツ社会の実現を目指して―
平成20年1月12日(土) エル大阪 「エル・シアター」
基調講演   スポーツで元気な心とからだ  
  講師 三屋 裕子 氏 (元全日本バレーボール選手 スポーツプロデューサー)
 今年は、元全日本バレーボール選手の三屋裕子氏を迎えました。三屋氏は、大学生から全日本に入り、さわやかな笑顔と高さのあるシャープな攻撃で女子バレーボール人気を沸騰させ、ロサンゼルスオリンピックで銅メダルを獲得されました。現在もバレーボールの普及のため、バレーボール教室や講演会等を行っておられます。今回は、バレーボール指導、教員生活、スポーツ少年団の視察等の経験をもとに、約1時間にわたり熱心に講演していただきました。その中で、強調されていたフレーズをあげたいと思います。
 スポーツに対して
スポーツをしていない人にスポーツの良さを伝えたい
スポーツに卒業があってはいけない
卒業のないスポーツ環境を整えるには総合型地域スポーツクラブが大きな役割を担う
「ああ楽しかったね」といえるスポーツが一番
スポーツは「強ければ、何をしてもかまわない」とみられている面があるが、強くてトップだからこそ、誰よりも謙虚に、そして、見本となるような人間でないといけない
 海外視察から
ヨーロッパでは、スポーツに対する垣根が低く、スポーツが文化として定着している
 スポーツの効果
スポーツにより、友達ができ、色々な方とフェイス・トゥ・フェイスの会話ができるようになる
スポーツをすることは、生活習慣病や脳の老化を防ぐことになる
 チャレンジ
自分の老いに対して、自分の老化に対して挑戦をしてもらいたい
「いつまでも元気!」をめざして
これからのスポーツのあり方や、スポーツの効用について色々な角度からわかりやすく話しをしていただきました。最後に以下のことを話され、講演をまとまられました。
子どもを取り巻く環境は、複雑かつ非常に難しくなっています。(一緒に遊ぶ子どもがいない、全力で走れる場所がない、塾等の習い事で時間がない等)子どもたちの将来を考えたとき、子どもたちが自らの発育・発達について理解し、自らがチャレンジできるような環境と考え方をどう作っていくのか。これは大人に与えられた大事な役割です。みんなで子どもたちを育てていきましょう。
シンポジウム   子どもとスポーツ  
  コーディネーター 赤松 喜久 氏(大阪教育大学教育学部教授)
 
  シンポジスト
城 成人 氏 (大阪府小学生バレーボール連盟理事長 堺市立城山台小学校教諭)
学校の教師として、子どもの現状から話します。特徴として、手と足がうまく連動しないような走り方、ぐるぐる回れない、体が硬い等の子どもが目立つように思います。また、普段スポーツ活動をしている子どもとそうでない子どもでは、体力に二極化の様子が見られます。スポーツにかかわる時間を減少させるものとして、遊ぶ環境の変化(放課後一緒に遊べる時間の減少等)も気になります。ゴールデンエイジと呼ばれる小学生(9歳から12歳)に学校でも色々なスポーツを教えていくことが大切です。教師として、スポーツのおもしろさ・友達とのコミュニケーションを経験していく場を作る必要を感じます。地域や保護者の方の協力を得ることが重要であり、子どもたちがいい環境でスポーツができるように努力していきたいと思います。
 
太甫 正彦 氏 (NPO法人 さくらスポーツクラブ理事長)
総合型地域スポーツクラブの中で取り組んできたことをお話しします。若いときに企業でスポーツをやってこられた方が50・60歳になり、現在、指導者になってくれています。さくらスポーツクラブでは、地域との密着を考え、サマースクールの中でシルバー世代の方々に折り紙教室とか紙鉄砲作りの指導をいただき、おばあちゃん・おじいちゃんと子どもとの接点を持つことができました。このような地域の方の協力により、人と人とのつながりができ、今、最も問われている安全・安心について、私たちの地域は前に進すめたと思っています。運動の苦手な子どもたちも、レクリエーション的なスポーツを通じて、元気になってもらいたいと考えています。そのためには、「継続」を大切に活動していきたいと思います。
狭間 惠三子 氏 (サントリー株式会社次世代研究所課長)
今の子どもたちが抱えている課題について、スポーツに対して期待することをお話ししたいと思います。子どもの現状をみて、一番思うのは、子どもたちの世界がすごく狭くなっていることです。約9割の子どもが「約束なしに友達の家に遊びに行ったことはない」と答え、また、話をする大人は、ほとんど親と先生になっています。今の子どもには三間(さんま)がないように思うんです(「空間の間」・「時間の間」・「仲間の間」)。ボタン一つであらゆる世界中のニュースが入ってくる時代であり、自らが体で何かを感じ取っていくという機会がとっても減っている気がします。どうすれば、兄貴分的な年上の人や大人との出会いを作れるのかを考えています。体を通じてコミュニケーションをとるプロセスを自分の中に積み上げていく機会をもつこと。これが本当に大事だと思っています。スポーツに接することで、子どもたちは、それを学ぶいい機会を得ることができると感じています。
三屋 裕子 氏 (元全日本バレーボール選手 スポーツプロデューサー)
チームスポーツをしてもらいたいと思っています。一人っ子が増えてきていることもあり、ものすごく狭い価値観の中で子どもたちは育ってきています。チームスポーツはマイペースではなかなかできません。ほとんどがユアペースなんです。自分の親でもなければ家族でもない第三者の人間のペースで動かなきゃいけないということをスポーツというルールの中で経験することは、とてもいいことだと思います。ユアペースということを知ることによって、思いやりや感謝の気持ちというものを知れるのではないだろうかと。社会の縮図みたいなものがチームスポーツの中にはあります。