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21世紀生涯スポーツ社会づくりへの提言
「スポーツとの出会いを大切に」
大阪芸術大学教授・スポーツジャーナリスト
増田明美
 今夏は北京五輪。大会が近づくとともに、日本選手の活躍を期待する声が高まります。しかし日本は、“経済力に比べてスポーツの競技力が低い”と言われるようになって久しいのです。
 競技力の向上のためには、まずは普及に力を入れて、裾野を広げると自然に頂上は高くなる、というのが私の考えでした。多くの方がそう思っているのではないでしょうか。しかし、別の考えもあるのです。
 トリノ五輪後に開かれた、あるシンポジウムで岡野俊一郎さん(日本サッカー協会名誉会長)のお話を聞く機会に恵まれました。ご存知の通り、トリノ五輪で日本選手が獲得したメダルは荒川静香さんの金メダル1個のみ。シンポジウムでは競技力向上の話題になりました。
 岡野さんは「競技スポーツを山に例えると、頂上が爆発し、そこから流れ出した溶岩が裾野を広げていく」と。荒川静香さんの金メダルの後、フィギュアスケート教室があっという間に満員になったことを例に出して話されたのです。確かに、掛布雅之さんに憧れて野球を始めた人、奥寺康彦さんに憧れてサッカーを始めた人は数知れず、だと思います。
 しかし、まずは子どもたちがスポーツに興味を持って、観てくれないことにはトップアスリートがいくら頑張っても裾野は広がりません。運動嫌い、スポーツ嫌いの子どもを少しでも減らさねばなりません。そこで最も重要なのが小学校の体育の時間です。
 実は私、小学校低学年の頃は運動が嫌いでした。跳び箱は飛べないし、鉄棒も苦手。なぜかというと、担任の先生がご高齢の女性で、専門は国語。(おかげで作文は好きになりましたが・・・)体育の授業の時はジャージに着替えて笛は吹くものの、コツを教えてくれないのです。苦手を克服できずにどんどん運動嫌いになってしまいました。中学校ではアニメ“エースを狙え”の主人公に憧れて軟式テニス部に入部しましたが、万年補欠。でも顧問の先生が熱心に指導してくださり、腐ることなく続けることができました。
 生涯を通してスポーツに親しんでいけるか否かは、小学校の体育の授業が大きく影響してくると思います。子どもたちがスポーツの楽しさ、汗をかく心地良さを体感するためには、楽しい授業が出来る先生方を増やす必要があります。体を育むだけでなく、体で育まれる大切なことを教えられる先生を。
子どもはみんな、体を動かすことが大好きです。そんな子ども達がスポーツを嫌いにならないようにすることが重要ではないかと思います。
vol.25