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広域スポーツセンターだより
総合型地域スポーツクラブ
科学的な健康づくりについて
健康・体力つくり運動推進全国大会/府民スポレク
モッピー指導者会・モッピークラブ
障害者スポーツ
大阪府レクリエーション協会だより
地域生涯スポーツ推進協議会
おおさか生涯スポーツコンベンション
21世紀生涯スポーツ社会づくりへの提言
地域が舞台!
スポーツクラブが社会を変える
福島大学
黒須 充
 今、日本の社会は政治も経済も制度疲労に陥っている。スポーツもその一つである。学校は学校、企業は企業、行政は行政と閉鎖的な環境の中で、システムそのものが硬直化を起こし、結果としてスポーツが私たちから離れていくといった閉塞状況に陥っているといっても過言ではない。
 具体例を示せば、
・長引く経済不況の影響を受け、企業スポーツの休廃部が急増している。
・少子化に伴う部員数の減少により、学校運動部の活動が停滞している。
・世代交代が進まず、地域のスポーツクラブのメンバーが高齢化している。
・財源不足に悩む行政は、多様化する住民のニーズにこたえられなくなっている。
 
 ほんの一例に過ぎないが、現在のわが国のスポーツ環境は、決して最良の状態にあるとはいえない。
 言いかえれば、これまでの学校や企業、行政に多くを依存した体制を見直し、地域社会全体でスポーツを支えるシステムへと変革する重要な時期を迎えているといえよう。
 ただし、あまりに「地域」を強調してしまうと、オール・オア・ナッシングの考え方で、これまでの行政、学校、企業スポーツを否定し、すべてが地域に移行してしまうといった誤ったとらえ方をされてしまうことも少なくない。いうまでもなく、「地域の学校」、「地域の企業」、「地域の行政」といった考え方をベースに、これまで一部に頼りすぎてきたきらいのある庇護体質を見直し、地域が一体となってスポーツの自立したシステムを創り出す、その具現化したものが総合型地域スポーツクラブであり、21世紀のスポーツ環境をより良くする、一つの選択肢であると考える。
では、総合型クラブはなぜ必要なのか。その答えは、生涯にわたってスポーツを楽しむことができる地域社会をつくることにある。しかし、全国的な事例を見てみると、生涯スポーツ=ウォーキングや軽スポーツといった狭い見方をしてしまい、いわゆる競技スポーツと一線を画しているクラブも少なくない。これは大きな誤解である。言うまでもなく、生涯スポーツとは0歳から100歳までのスポーツ振興であり、その中には当然、可能性を追求して競技に打ち込む時期も含まれる。すなわち、生涯スポーツと競技スポーツは決して相対立するものではなく、総合型クラブの中で溶け合うといった広い意味での生涯スポーツの考え方が、今後のクラブ発展にとって欠かせない視点となるであろう。
 
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