なみはや通信
冬季オリンピックの街から
真冬の日本を熱い感動で包んだバンクーバーオリンピック。まだ皆さんのご記憶にも新しいことかと思いますが、オリンピックに沸きかえった開催地のバンクーバーの街の様子をお届けします。
カナダ第3の都市バンクーバー市は、太平洋に面し、日本から直行便で9時間程で行くことが出来る「日本から一番近いカナダ」です。 カナダというと"寒い国"というイメージがありますが、西岸海洋性気候に属するバンクーバーは、北海道よりも高い緯度に位置しながらも温暖な気候で、真冬でも氷点下以下になることは稀です。海にも山にも近く、少し郊外に出れば雄大な自然が広がります。都市機能も発達しており、こういったことから「世界で一番住みやすい場所」と言われています。 開会式・閉会式の会場となったBC.プレイス・スタジアムです。ドーム式の室内競技場で、市の中心部に近く、カナディアンフットボールリーグに属するBCライオンズの本拠地でもあります。"BC"とは、バンクーバーが属するブリティッシュコロンビア州の略です。 BC.プレイス近くのイベント会場期間中は、こちらでは様々なイベントが開催され、夜中まで盛り上がっていました。 特に国技ともいわれるアイスホッケーで地元カナダが勝利したときなどは、まさにお祭り騒ぎです。 青いジャンパー姿の方は、オリンピックを支えたボランティアです。街中いたる所で観光客の道案内など、困っている人を助けてくれていました。 その主力は"シニア・シチズン"と呼ばれる世代の方々でした。 ロブソン通りとロブソンスクエアバンクーバーのダウンタウンの中心で、周辺にはデパート、高級ブティック、ホテル、美術館などが集まっています。 期間中にはたくさんのイベントやアトラクションが行われていましたが、中でもロブソン通りの上をワイヤーで結び、そのワイヤーを腰に巻いたハーネスでぶら下がりながら滑り降りる"Ziptrek(ジップトレック)"は大人気で、数時間待ちという盛況でした。 バンクーバー美術館オリンピック開催期間中は入場無料ということで、入館待ちの人で長い列が出来ていました。 美術館の正面は、このように鮮やかな花の絵で飾られていましたが、これは台北とパリを中心に活躍する現代美術作家マイケル・リンさんの作品だそうです。 ザ・フェアモントホテルバンクーバー青銅の三角屋根と重厚な石造りの外観がひときわ目を引くバンクーバーのランドマークともいえる歴史的建造物です。 1928年に創業以来、数多くの著名人や要人を迎え入れてきました。 ウォーターフロントからの風景自然に囲まれたバンクーバーはダウンタウンと海が近接しています。 大都市でこのように美しい景観に恵まれた場所は、珍しいでしょう。 天気のいい日には、このように海の向こうに雪を頂いた山々を間近に眺めることが出来、市民の憩いの場になっています。 夏にはバンクーバー近海に回遊してくるシャチをウォッチングする"オルカツアー"も人気です。 聖火開会式では4本目の柱が出ないというアクシデントがありましたが、こちらはウォーターフロント近くに設置された聖火台ですが、ちゃんと柱は4本ありました。 オリンピック憲章には「オリンピック期間中は、聖火を市民の見える位置で燃やし続けなければいけない。」と定められていることから、開会式で使用された聖火台とは別に設置されたものです。 聖火を間近で眺めるためには列に並ばないといけないのですが、さすがオリンピックだけあって並んでいる人は実にインターナショナル! スコットランドの民族衣装のキルトを着用した男性の姿も見られました。 がんばれ!ニッポン!その1これは何でしょう?実は、街頭の屋台に設置された日本選手向けの応援フードの看板なんです。スピードスケートの高木美帆選手や出島茂幸選手、フィギュアスケートの浅田真央選手、高橋大輔選手の名前がありました。 がんばれ!ニッポン!その2テレビや雑誌でも大きく取り上げられたダウンタウン中心部の日本料理店"亀井ロイヤル"さんの看板です。 オリンピック期間中、フィギュアスケートの浅田真央選手にちなんだ"真央ロール"織田信成選手にちなんだ"織田ロール"小塚崇彦選手にちなんだ"小塚ロール"鈴木明子選手にちなんだ"明子ロール"などの趣向をこらしたロール寿司が提供され、日本人観光客に大人気でした。 公式マスコットバンクーバーオリンピックの公式マスコットの"Quatchi(クワッチ)"と"Sumi(スーミ)"です。クワッチはカナダの神秘の森からやって来た想像上の動物"サスクワッチ"をイメージしたキャラクターで、スーミはシャチ(オルカ)とクマをイメージした女の子だそうです。もう1人"Miga(ミーガ)"というマスコットもいるのですが、このときは2人しか見つけられませんでした。 バンクーバーオリンピックは82の国が参加し、2月12日から28日までの17日間に渡って開催され、日本は銀メダル3個と銅メダル2個を獲得しました。これは前回のトリノオリンピックの1個を上回る数となりましたが、金メダルがゼロだったのは少し残念でした。 その一方で、メダルだけが全てではないと思わせてくれたのが、女子モーグルの上村愛子選手でした。「なんでこんな一段一段なんだろう。」という重い言葉に、思わずもらい泣きされた方も多かったのではないでしょうか。その言葉には彼女がどれだけの練習と努力をしてきたか、どれほどの思いでこのオリンピックに出場していたのかが、込められているようでした。 そんな様々なドラマが繰り広げられた17日間でしたが、次の冬季オリンピックは、4年後の2014年、ロシアのソチで開催されます。 |