日常生活型スポーツの効用
大阪体育大学大学院スポーツ科学研究科 体力科学 梅林 薫
 「最近は、体力が衰えてきたかな!運動不足の傾向だなあ!」ということを多くの人が感じており、生活習慣病にならないためにも健康づくり、体力づくりの必要性が唱えられています。これらのことを考えていく上でも、日常の生活の中にスポーツを取り入れ、自己の体力の向上、健康増進を進めていくことは、大変重要なこととなります。
 「スポーツとは何か」…これについては、いろいろな考え方がありますが、遊びであり、健康のためであり、また仲間との楽しみや、趣味ということで行われるものだと一般的に考えられています。多くのスポーツは、適度な運動をすることによって、身体から心への流れによって、心を爽やかにする効果があります。これが楽しみとなるのでしょう。また運動することによって、身体への機能的な効果も十分あります(筋力や持久力、柔軟性の向上など)。
 どのようなスポーツを生活に取り入れていけばよいのか、またどのような効果があるのか少し考えてみたいと思います。
(1)ウォーキング、ジョギング
 この運動は、基本的な動き(日常での歩く、走るといった)で、誰でも、いつでも、どこでも、手軽にできるスポーツです。ウォーキングやジョギングの利点については、内臓の強化(呼吸循環機能の強化)、骨の強化、体脂肪燃焼による肥満の解消、ストレス解消(気分転換など)の効果が期待できます。体力レベルによって、ウォーキング(歩く、すなわち、どちらかの足が地面についている)、ジョギング(軽く走る、どちらの足も地面から離れている)を選択することが必要です。ウォーキングについては、肥満解消のためには、1日10,000歩(300kcal、90分程度)歩く必要があるといわれています。
(2)球技スポーツ(バスケットボール、バレーボール、テニス、卓球など)
 球技スポーツは、一定のルールのもと、ボールを扱う種目です。中央がネットで仕切られているネット型のスポーツ(バレーボール、テニス、卓球、バトミントンなど)、枠内でチーム2つのチームが入り乱れて行う対戦型スポーツ(バスケットボール、サッカーなど)、敵味方が異なった陣形で行うスポーツ(ソフトボール、野球など)、そのほかゲートボールなど、多数のスポーツ種目があります。
 これらは、年齢に応じて運動強度が変化しますが、楽しさを第一とする目的で行われています。身体に対する効果としては、敏捷性や筋力、柔軟性、そして持久力の向上が考えられます。ただ、勝敗等が関係することで、急なダッシュやランニング動作、またジャンプ動作など、無酸素的な運動が多く含まれていることから、十分なウォーミングアップが必要です。ケガを防止するためにも、十分な準備運動を行ってください。
(3)ストレッチ運動、太極拳、体操など
 これは、自分一人で、手軽にできるスポーツ(運動)です。比較的、場所をとらず、定位置で簡単にできることも特徴です。太極拳は、健康体操的なイメージがありますが、ゆったりとした動きは、日頃の忙しい日常から解放され、身体のリラックスにもなります。ストレッチ運動については、身体のいろいろな筋肉群を伸ばすことによって、血行を良くし、またリラックス効果も期待できます。体操も、いろいろな関節運動を行うことより、身体の柔軟性の向上が期待できます。このような運動を日常的に多く取り入れることによって、肩こり、腰痛、またストレス解消にも大きな効果が期待できます。家でも、仕事場でも、自分のペースで取り入れることができることも特徴の一つといえます。
 以上、代表的なスポーツを挙げて、その効果を述べてきました。まだ他にいろいろなスポーツ種目がありますが、健康増進、体力向上のために、これらを生活のなかに積極的に取り入れていただきたいと思います。スポーツは、遊びです。スポーツを文化として取り入れてもらいたいとも思っています。
●関連リンク
健康・体力づくり事業財団「健康ネット」
http://www.health-net.or.jp/
ジョギングと健康の情報館
http://www.mmthn.com/index.html